2007年07月30日
川俣晶の縁側辛口甘口雑記 total 2880 count

死ぬ気で頑張ったところで、しょせんはこの程度さ

Written By: 川俣 晶連絡先

 最近、家庭教師ヒットマンREBORN!というアニメが気に入ってみているわけですが、何が良いのかといえば、「子供を鍛え上げる」物語として良くできている点です。

 基本的な筋書きは、突如イタリアのマフィア、ボンゴレファミリーの第10代目ボスに指名された日本の少年が、凄腕のヒットマン・リボーンによってマフィアのボスにふさわしい人間に鍛えられる……ということなのですが。この家庭教師ヒットマンのリボーンは、どれほど主人公がピンチになっても助けません。それどころか、主人公をピンチに落とし込むことも日常茶飯事です。もちろん、それを乗り越えるために鍛えたり、助言を与えたりもします。しかし、助けることはしません。主人公は、常に自分の問題として、様々な問題を乗り越えねばなりません。

 さて、このリボーンが主人公に行う僅かな手助けの主要なものが、「死ぬ気弾」です。この弾は、撃たれた者の死ぬ気を引き出し、通常ではあり得ない力を発揮させます。しかし、「死ぬ気弾」は便利な強化アイテムなどではなく、使い方を間違えれば死にます。

 つまり、「死ぬ気」とは文字通り死の瀬戸際にあります。

やっと本題 §

みんながとても頑健なわけじゃない

 より

「死ぬ気でやってみろよ、死なないから」って論法だが、実際は「死ぬ気でやって死ぬこともある」んだよ。死んじまったら、けしかけた人はどうやって責任取りますか? 人間の心身はそんなに頑健なわけじゃない。正確に言うと、もちろん頑健な人もいるんだが、誰もが「とても頑健な人と同じように頑健」なわけではない(当たり前でしょ、そんなこと)。

 確かに死ぬことがありますね。

 しかも、死ぬ気になったからといって、劇的に何かが可能になるわけでもありません。

 しょせん、この程度しかできなかった……という現実を露呈するだけということも多いと思います。

 しかし本当の問題はそこには無いと思います。

 死ぬ気の本当のリスクは、「身体を壊す」ことにあると思います。長い入院や、一生残る後遺症を残すような状況になりかねません。

 たとえば、上記のリボーンの例で言えば、なぜ日常的に「死ぬ気弾」を使えるのかといえば、問題が起きる境界を冷静に見極めるベテランがいつも見ているからですね。

 逆に言えば、それを見極められない者が死ぬ気で突っ走ると、本当に取り返しの付かない結果になる可能性があると思います。

 ……というのが私の「死ぬ気」感です。

 いや、檜山さんの文章を見て、つい書いておきたくなっただけなのさ!